顎変形症はどんな手術をするのか?
咬合不正や顔面変形があごの変形によるものと診断されれば、骨切り術というあごの骨を切る手術を行います。多くの場合は手術前に矯正歯科での歯並びの治療を行うことがすすめられています。
手術前の矯正治療には1年以上の日数を要することも少なくありません。手術では口の中から上顎骨や下顎骨を切って、最も望ましい位置に移動して固定します。全ての操作は口の中から行いますので、顔に傷が残ることはありません。
固定には金属製(チタン製など)や吸収性の小さなプレートやスクリューを用います。手術後には正しい咬み合わせを保持するための後療法を行います。
どうやってアゴの位置を変えるのか?~土台から顔をなおすのか~
上アゴの手術
現在、顎矯正外科で最も用いられている上顎骨の手術は、ルフォーⅠ型という手術です。この手術は、顔の中心にある上あごの骨を大事な血管・神経をつないだまま分離し、3次元的に自由に位置を変えられるというものです。
この手術により顔の中心部の変形を改善することができるのです。
厚生労働省の公表している高難度手術件数によりますと鶴木クリニック医科歯科は、上顎骨形成術を日本で最も多く行っているクリニックの1つであることが分かります。
下アゴの手術
がく矯正外科で最も頻繁に用いられる下アゴの手術は、下顎枝矢状分割術といいます。この手術の登場は画期的なことでした。この手術は、下アゴの神経血管をつないだまま3次元的に自由に移動させるということを可能にしました。この手術は、オブゲザー教授が1957年に考案し、その適応症の広さのため世界中に広まりました。
日本では、師匠である東京歯科大学の高橋庄二郎先生がはじめて行いました。手術の構造上、下アゴの中にある下歯槽神経という神経を損傷するリスクがあります。がく矯正外科にて、顔を劇的に改善させるとともに、安定して行えるようになったのは、上アゴと下アゴの手術を組み合わせによるものなのです。